ウィンナーの出来るまで
原料処理
ソーセージの原料には豚の肩肉を使います。関節に近く良く動かす部分なので、精肉として使用するには硬くて向きませんが、挽肉やソーセージとして使用するにはアミノ酸が多く味の良い部分なので向いています。
また、ソーセージの原料としては、鮮度が一番ですので、歩人では屠殺場より朝一で取り寄せ処理します。
基本的には、軟骨・血管・太い筋・余分な脂などを除去して3センチ角に切りそろえていくのですが、肉温が12度以上にならないように手早く処理するのが、絶対条件です。肉温を12度以上に上げてしまうと大事なタンパク質が変性してしまい、ソーセージの組織を作れなくなってしまいます。
前バラと呼ばれるバラ肉の前の部分を切り落とし、軟骨や余分な血管を除去しながら細切します。
脛を切り外し太い筋と軟骨を除去、細切。首の付け根を切り外し、リンパ腺、血管、軟骨を除去、細切します。
細切した肉を水と岩塩と硝石を加え、20分間攪拌してなじませます。
肉の温度と表情を確認しながら、練り終わるタイミングを決めます。
練り上がった生地から空気を抜いてバットに移し、冷蔵庫で休ませます。
充填
これはスタッファーという機械。油圧で肉を入れているシリンダーの底が上に持ち上がり生地を押し上げ、生地がノズルから出る仕組み
ニュージーランドの羊腸を使います。一旦水を通し穴が無いか調べながらスタッファーに移します。
決着剤を使っていないので、パンパンに詰めます。決着剤を使うと加熱工程で膨れますが、使わない場合は逆にしぼむからです。
詰め終わった物をねじってスモークハウスに吊るせるようにします。ねじり方は2種類で、これは編みこみといいます。
こちらのねじり方は、ねじり込み。フランクフルトなど太くて編み込みだと千切れる場合に使います。
熱処理
腸詰にしたウィンナーを一旦蒸らすことにより硝石が働き、肉製品独特の色と香りが与えられます。
そしてスモーク 退色が少ないことから歩人ではヒッコリーを使っています。
スモークが終わり香りと色が付いた後、低温でゆっくりとボイルします。
45分かけてゆっくりとボイルしたウィンナーを急激に冷やすことにより、皮に皺がよるのを防ぎ、食感の良いウィンナーに仕上げます。
一晩冷蔵庫につるして芯まで冷やしたのち、1本1本に切断し包装してお客様のお手元へお届けします。
如何でしたでしょうか?
仕事の合間を見て、次回は別の製品の製造工程をお見せしたいと思っていますので、お楽しみにしていてください。
感想・ご質問などがありましたら、励みとなりますので、どしどしメールにておよせください。
歩人店主 岡 孝圭